わーい、わーい!
押入れのなかを探索する幼児がいた。




















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ぼく(5さい)である。


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こどもの好奇心は計り知れない。
毎日のようにあちらこちらを探索しては遊ぶ。
すべてが新しき発見であり、すべてが楽しかった。そのような麗しき日々の中、ぼくは薄暗い押し入れの中で1つの箱を見つける。その容器は、灰色の背景に赤や青、緑そして黄色の線で心震わせるものが描かれていた。




















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そう、スーパーファミコンである。
どうやら両親が結婚後一緒に遊ぶために購入してたらしい。僕が生まれてからは、「まだ子供にゲームをさせるのは早い。悪影響を及ぼす可能性がある。」そう考えて押し入れに隠されていたのだった。

ぼくはスーパーファミコンを発見してしまった。これは事実であり、変えようがない。たとえ、再び隠しても子供特有の無駄な執念深さとあり余った時間を持ってすれば、すぐに見つけ出されてしまうだろう。ぼくは、スーパーファミコンで遊ぶことを「ゲームは午後六時まで」という条件を元に許可された。

そこから、ぼくは毎日のようにスーパーファミコンで遊んだ。
ソフトは「スーパーマリオワールド」の破格の一本セットしか無かっため、すぐに別のソフトが欲しくなった。ぼくは、両親にお願いしてゲームショップに連れていってもらった。箱無し説明書なしソフトのみがたくさんぶら下がっている中古ゾーンを見ていた時だった。

ぼくは運命的な出会いをする。




















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「「「ジーコサッカー」」」

ジーコサッカーだ。
なんか値札を見る限りすごい安いし、これなら買ってもらえそうだ。そう思ったぼくはまたしても両親にお願いしてレジに持っていってもらった。

家に帰るなり、ぼくは興奮してスーパーマリオワールドを力付くで抜こうとして失敗し、真中の膨らんだボタンの存在に気づく。ガコン!!
そのままジーコサッカーをスーパーファミコンの穴に挿入する。

スイッチオン!!

輝かしきゲーム起動の瞬間。

わくわくで胸がはちきれそうな僕の前に映し出された画面はーーーーー



















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SM調教師瞳であった。


ジーコサッカーとSM調教師瞳の関連性
(当時中古が安かったジーコサッカーはSM調教師瞳として改造されていた)




その後のことはよく覚えていないが、当時5歳のぼくは何も疑わずに「なんでこれサッカーゲームなのに女の人が服ぬぎ始めているの」とかは思っていたのは確かである。


翌日、ジーコサッカーは返品され、通園バスの中で「えっちげーむをした」と幼児特有の見え張り小粋ジョークを楽しんだ。